2021年11月から低リスク国のワクチン接種者を対象に、タイ入国時の隔離が免除となりました。この日をどれだけ待ちわびたことか。早速、一週間ほど行ってきました。
今月から運用が始まったタイランドパスは情報が極めて少なく、システムのバグが起こったりと、出国前は色々と不安な点も多かったです。Twitterでタイに長く住んでいるイギリス人の方とやり取りしたり、ホテルへ問い合わせて得た情報などを共有したいと思います。本記事の内容は2021年11月中旬から下旬にかけての情報で、執筆日は2021年11月26日です。出国時に羽田で聞いた話ですが、タイランドパスの申請をしないまま航空券とパスポートだけを持って空港に来た方が、11月以降、数名いるそうです。大使館のウェブサイトなどで必ず最新の情報を入手してください。
在東京タイ王国大使館
https://site.thaiembassy.jp/jp/
タイランドパス
タイランドパスの申請方法について
タイ王国大阪総領事館の動画がわかりやすいです。
https://www.facebook.com/watch/?v=422597736068625
タイランドパスは現時点で12月15日以降にタイに到着する方の申し込みを中止しています。12月15日から、タイ到着時の検査がRT-PCRからATK(抗原検査)に変わるとか、タイランドパスがアプリ化するなどの情報があります。11月以降にタイランドパスのTest & Goで入国した外国人の陽性率が約0.08%と極めて低く、ホテルや病院の負担を軽減し、より多くの外国人旅行者を受け入れるための緩和措置が採られるのではないかと思います。
✈️ Yesterday, 5,591 people flew into #Thailand with six of them testing positive. This brings the total since 1st November to 85,608 arrivals and 112 infections (0.13%). Most are taking part in Test & Go (65,622 | 0.08% infected) and most landed at Suvarnbhumi airport (57,704) pic.twitter.com/xb6kISz5Rn
— Richard Barrow (@RichardBarrow) November 22, 2021
検査方法が緩和されると初日のAQ /SHA+ホテルの宿泊費が安くなる可能性がある一方で、入国する外国人の数が増えると、大きく下落したホテルの通常宿泊料金は上昇に転じる可能性が高そうです。
タイランドパスは自動承認による短期承認を目指したい
タイランドパスは出発の一週間以上前に申し込むことが推奨されています。自動承認と手動承認があり、数時間で承認されたケース、数日かかったケース、一週間近くかかった挙句に非承認となったケースなど、経過は人によって様々なようです。出発直前で非承認となったら航空券等すべて取り直しになるため、時間に余裕をもった申請をお勧めします。
今回、僕は航空券をマイルで取っていて日時の変更が可能だったので、ダメ元で出発の6日前に申し込んでみたところ、およそ2時間で承認されました。自動承認でしょう。申請内容に誤りがないことは前提として、自動承認されるポイントとなりそうな項目は以下の3点です。
- ワクチン接種証明書と共にQRコードを添付すること
- 海外旅行保険の証書が英語のみで記載され、米ドル換算の金額が記載されていること
- タイ到着後にPCR検査を受け、結果が出るまで待機する初日のAQ / SHA+ホテルの予約確認書が英語のみで記載されていること
11月25日までに296,842件のタイランドパスの申請があり、236,184件が承認され、そのうち124,814件がAIによる自動承認、36,749件が非承認とのこと。
ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)
7月上旬にファイザーの2回目の接種を終えていて、7月末、ワクチンパスポートの発行開始日に申し込みをして入手しました。自治体によっては申請から発行まで一週間程度かかるケースもあるようです。申請はお早めに。
ワクチンを接種した際、自治体から発行されたワクチンチケットの予防接種済証(臨時)に、QRコードや製造番号等が記載されたシールが貼られました。これをスキャンして、タイランドパス申請の際に添付しました。日本のQRコードのないワクチン接種証明書の添付だけでは手動審査となり、時間がかかるようです。
なお、12月以降、マイナンバーカードを利用した電子版ワクチンパスポートの受付が始まるようです。こちらはQRコードの表示にも対応しています。渡航が来年以降の方は要チェック。
海外旅行保険
タイランドパスの申請には5万ドル以上のコロナ対応疾病保険が必要です。また、保険証書は英文で記載され、米ドル換算の金額が記載されている必要があります。保険会社によっては、保険の申し込み後、保険証書・番号の発行まで時間がかかるケースがあります。今回はJAL便の利用で「JALコロナカバー」というJAL独自の保険が無料付帯していましたが、証書の発行まで一週間程度かかるようでしたので、別途、海外旅行保険を探して加入しました。
損保ジャパン 新・海外旅行保険 OFF
今回は損保ジャパンの「新・海外旅行保険 OFF」という保険に加入しました。保険内容はカスタマイズでき、タイへの一週間の滞在であれば2,790円程度、二週間であれば6,960円程度です。上記条件をすべて満たしていて、オンラインで加入手続きを済ませると、すぐにマイページから英文証書PDFをダウンロードすることができるようになります。タイランドパスの申請の際、現時点ではPDFファイルのアップロードはできないため、自身でJPEGやPNGに変換する必要があります。また、証書にはコロナが保険の対象となっている旨も記載されています。
https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/leisure/off
キャッシュレス治療サービス
今回この保険を選ぶにあたり、以下5つの病院でキャッシュレスで治療が受けられる点も魅力的でした。日本人に馴染み深い病院ばかりです。キャッシュレスで治療を受けるには、事前に海外メディカル ヘルプライン(1800-600-234 / 02-302-6535)に連絡する必要があるようなのでご注意ください。なお「JALコロナカバー」は、どこの病院であってもキャッシュレスで治療が受けられます。こちらも事前にサポート(1800-011-267)への連絡が必要です。
- サミティベート スクンビット病院
- サミティベート シーナカリン病院
- バンコク病院
- バムルンラード病院
- ラーマ9世病院
タイでのPCR検査
タイランドパスでタイに入国する短期旅行者は、入国時と出国72時間以内の合計2回、PCR検査を受ける機会があります。例えば、入国後にPCR検査を行うホテルの提携病院がサミティベートで、出国前の検査もサミティベートで受ける予定であれば、万が一、陽性判定が出て入院措置となった場合でも、損保ジャパンのキャッシュレス対象病院であるため安心です。万が一、重症化してICUに入るような事態になれば、数百万円とかそれ以上の医療費がかかることが予想されます。
初日のホテル
タイ入国後、専用車でAQ / SHA+ホテルへ移動し、ホテル内でPCR検査を受け、結果が出るまでそのホテルの部屋で待機する必要があります。ホテルによっては、途中で病院に寄ってPCR検査を受けるケースもあるようです。このプランは通称Test & Goと呼ばれていて、agodaや下記サイト、各ホテルの公式サイトから予約可能です。
https://www.agoda.com/ja-jp/quarantineth
https://asq.in.th
空港からホテルまでの専用車による送迎とRT-PCR検査が含まれたTest & Goプランの予約がないと、タイランドパスの申請は非承認となります。Test & Goではない通常の安い宿泊プランではダメです。手違いで承認されたとしてもスワンナプームから出ることができません。空港職員は入国者の名前、宿泊ホテルが記載された名簿をもっています。
Test & Goプランは1泊15,000円〜25,000円程度とやや高額ですが、空港からの送迎やPCR検査も含んだ金額なのでこんなもんでしょう。なお、agodaで予約する場合、言語を日本語に設定して予約すると予約確認書に日本語と英語が併記され、手動審査にまわされ時間がかかったり、非承認となるケースがあるようです。予約の際は英語への変更を推奨します。日本語で予約してしまった場合は、サポートに連絡すると英語のみで記載された予約確認書を発行してもらえます。
ホテルの公式サイトから直接予約する場合、agodaよりお得に泊まれるケースもありますが、タイランドパスの申請に必要な予約番号・予約確認書の発行は予約・支払い完了後で、手続きが完了するまで1〜2日は必要です。また、どちらの予約方法であっても、パスポート、ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)、航空券のEチケット、保険証書の写しなどをホテルへメールで送る必要があります。agodaの場合はこの手続きは予約完了後でよく、直接予約の場合は予約の段階でこの手続きが必要です。タイランドパスの申請を急いでいる場合はagodaがお勧めです。
予約方法 | 予約番号・予約確認書発行のタイミング |
---|---|
ホテルの公式サイト・メールで予約 | すべての手続きが完了後(所要1〜2日) |
agodaで予約 | 予約手続きが完了した時点(所要数分) |
今回、1泊目はグランデ センター ポイント スクンビット 55のTest & Goプランをagodaで予約し、2泊目以降はダブルツリー スクンビットの通常宿泊プランをbooking.comで予約しました。ホテルの予約後、ダブルツリーの担当の方から「うちもTest & Goを始めたから興味あるなら詳細を送りますよ」と連絡がありました。ホテル移動の手間が省けるありがたい提案でしたが、後述の理由でダブルツリーでのTest & GOは見送りました。
- Grande Centre PointのTest & Go
- DoubleTreeのTest & Go
他にもいくつかのホテルに問い合わせましたが、Test & Goを始めているものの、各種サイトへの掲載や周知が間に合っていないホテルが多いようです。お気に入りの定宿がある方は事前に直接問い合わせてみて、Test & Goパッケージの有無を確認することをお勧めします。こうした問い合わせへの返答にも時間がかかるケースが多く、返事が返ってこなかったホテルがいくつかあります。
スワンナプーム深夜着の場合は要確認
JALやZIPAIRの夕方発の成田便など、スワンナプームへの到着が深夜になる場合、PCR検査が翌朝にまわされ、Test & Goの予約が2泊必要なケースもあります。各ホテルでPCR検査を行うのはホテルのスタッフではなく提携先クリニックのスタッフで、検査結果が出るまでの時間はそのクリニック次第です。自分が確認した限り、トンローやアソークのグランデセンターポイントは深夜着であっても1泊でよく、プロンポンのヒルトンやダブルツリーは深夜着の場合は2泊必要だと言われました。他地域のミレニアムヒルトン、コンラッド等は未確認。
ホテル | 提携クリニック | 深夜着の場合の必要宿泊数 |
---|---|---|
グランデセンターポイント スクンビット55 | スクンビット病院 | 1泊 |
グランデセンターポイント ターミナル21 | スクンビット病院 | 1泊 |
ヒルトン スクンビット | サミティベート病院 | 2泊 |
ダブルツリー バイ ヒルトン スクンビット | サミティベート病院 | 2泊 |
オークラ プレステージ | サミティベート病院 | 返信なし(2泊?) |
深夜着の場合に2泊必要ということは、翌朝検査を受けてもその日の夜までに結果が出ない可能性が高いということです。つまり、朝〜夕方着で1泊でいいケースであっても、検査結果が分かるのは翌日夕方以降になる可能性がそれなりに高いと予想しました。この点が気がかりで、ダブルツリーからのTest & Goの提案は見送り、1泊目の予約はグランデセンターポイント、2泊目以降の予約はダブルツリーのままとしました。自由時間の確保の方が大事なので。なお、Test & Goパッケージを提供するおそらくすべてのホテルにおいて、結果がわかるまでのレイトチェックアウト費は不要です。
航空券
今回は羽田発で便利なJALのJL31便を利用しました。東京発のフライトのなかで現地着16:20と一番早く、Test & Goでの宿泊が1泊で済みます。往復33,000マイル&諸税。往復ともにエコノミー最前列が確保でき、まわりもガラガラで快適でした。隣席(エコノミー最前列の空席すべて)はブロックしてくれていました。
ZIPAIRは片道1.6万円程度からと価格面で大きなアドバンテージがありますが、荷物を預けたり機内食のオプションを追加していくと往復5万円近くになります。スワンナプーム着が22:10と遅く、Test & Goの宿泊が2泊必要なホテルが多いです。料金面を考慮するのであれば、スワンナプーム17:05着のタイ航空TG643便の方が良さそうです。なお、タイ航空は1月から羽田10:35発のTG683便が復活します。スワンナプーム着15:40でJL31便より早い。
航空会社 | 空港 | スワンナプーム着 | 料金 | 付帯保険 |
---|---|---|---|---|
JAL(JL31) | 羽田 | 16:20 | 約8.9万 | JALコロナカバー |
JAL(JL707) | 成田 | 23:35 | 約8.3万 | JALコロナカバー |
ZIPAIR(ZG51) | 成田 | 22:10 | 約3.5〜5万 | なし |
タイ航空(TG643) | 成田 | 17:05 | 約4.8万 | なし |
タイ航空(TG683) | 羽田 | 15:40 | – | なし |
※金額は12月上旬のおおよその目安です。次に自腹で飛ぶのであればタイ航空かな。1月に復活するTG683便は魅力的。
タイランドパスの審査がおりたら
タイランドパスの審査がおりたら、メールで届くタイランドパスのQRコード、航空券のEチケット、保険証書、ワクチン接種証明書、初日のAQ / SHA+ ホテルの予約確認書をすべて印刷して、クリアファイルに入れて携帯することをお勧めします。紙があると各所での確認が早いです。航空会社によっては紙で持っていないと空港のコンビニで印刷させられるケースもあるようです。
以上がタイランドパスについて。
出国72時間以内のPCRテスト
タイランドパスの審査がおりたら次はPCRテストです。出国(フライト時間)の72時間以内に検査を受ける必要があります。JALの場合は唾液式でも搭乗できるようですが、いざタイに飛んだあとに陽性判定が出たら悲惨なので、より確度の高い鼻咽頭ぬぐい液方式(通称:鼻ぐり)のRT-PCR検査を受検しました。
検査は東京国立博物館での用事ついでに東京上野駅前トラベルクリニックにて。PCR専門の簡素な施設で、RT-PCRテストと陰性証明書発行の合計で20,000円でした。所要15分程度。陰性証明書は翌日取りに行く必要があります。16時頃検査して、その日の22時頃にショートメールで陰性の結果が届きました。陽性だったらこの時点ですべてキャンセルですね。陰性証明書も忘れることなく印刷してクリアファイルに入れて携帯しておきましょう。
都内で鼻咽頭ぬぐい液方式のRT-PCR検査が安価に受けられるクリニック
クリニック | 料金 |
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東京上野駅前トラベルクリニック(川崎検査クリニック系列) | 20,000円(税込) |
チーム メディカル クリニック(新宿、新橋、虎ノ門など) | 16,000円(税込) |
神田北口診療所 | 15,000円(税込) |
出国準備については以上です。次はタイ入国編を記事にします。
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